捻挫が癖になることについて
足関節捻挫の内反捻挫は、受傷頻度が高く、スポーツ現場や日常生活でよくみられる外傷です。内反捻挫は、バランスを崩し足の外側から捻ったり、又は転倒した時に受傷します。足関節捻挫は、比較的軽視される傾向があります。受傷後、そのまま放置したり、医療機関で治療を受けるも完全に治りきっていない状態でスポーツ活動を再開してしまうなどのケースです。いわゆる捻挫が癖になるリスクが高まります。受傷後は、なるべく早期に医療機関に受診し、適切な処置及び治療が必要です。更に、再発予防のための機能訓練プログラムの実施も非常に重要であると考えます。
足関節捻挫が癖になることについて
足関節捻挫には、内反捻挫と外反捻挫に分類されます。外反捻挫に比べて内反捻挫の捻挫の受傷頻度が圧倒的に高いです。足関節には、外側と内側部に靭帯があり、足の骨の位置関係を保持しています。外側靭帯は内側靭帯と比較して靭帯の強度が弱く、また足関節の構造上、内反方向への自由度が高いことから内反捻挫の発生頻度が高くなっております。内反捻挫は、例えば段差などでつまずいて足の外側から捻った際に、外側靭帯からダメージを負います。外側靭帯の中でも前距腓靭帯の損傷が特に多いです。受傷後は、応急処置としてアイシングを行い、医療機関に受診した際に徒手整復、及び適切な免荷処置を施すことが望まれます。一方、受傷後の放置もしくは十分に完治しない状態で復帰すると、いわゆる捻挫が癖になるリスクが高まります。
一般的に足を捻ったりして靭帯を損傷すると、負傷部位の靭帯は修復されますが、強度は負傷前に比べると低下します。また、負傷時の程度に差はありますが、靭帯が伸ばされた状態となり、骨の位置関係にズレを生じます。治療初期で徒手整復などの適切な処置を施さないと、ズレた骨の位置関係のまま靭帯が修復され、更にズレた状態が正しい位置であると脳が間違って認識してしまいます。そして、長期記憶として定着されてしまうと、捻挫の再発リスクを高める結果となります。負傷により強度が低下した靭帯は、周りの筋を強化することで機能を補う必要があります。なにより、直ぐに医療機関に受診し、専門家による徒手整復、及び適切な免荷処置をしてもらうことが、いわゆる捻挫が癖になることに対する対処法です。
足関節捻挫の予防法
損傷後の靭帯の機能低下は避けられませんが、周囲の筋を強化することで、再発の助けになると考えております。例えば、内反捻挫に対しては足関節の外反作用のある腓骨筋強化が有効です。また、筋強化だけでなく、バランスボードを用いての固有感覚トレーニングも大切です。固有感覚受容器とは、筋・腱・靭帯に分布されている受容器で、身体を動かしたときの関節の位置や曲げ伸ばしを把握します。また、動作の加速や減速を感じ取るセンサーの役割も担っております。受傷後は、固有感覚が低下する傾向があり、バランス機能強化はケガの再発予防につながります。さらに、ふくらはぎのストレッチは、足関節の背屈可動域を広げます。可動域の改善は、バランスを崩し足関節を捻ること自体を未然に防ぐ効果が期待できます。特にスポーツ愛好家は、練習前にふくらはぎをストレッチすることが外傷の防止に有効であると考えます。