石灰沈着性腱板炎に対する鍼通電破潰法の解説
当院では、石灰沈着性腱板炎を訴える患者さんに対して鍼通電破潰法を行っています。当院独自の治療法である鍼通電破潰法を紹介します。
鍼通電破潰法
- 患部を触診、超音波画像装置にて石灰沈着部(圧痛著明)を確認。
- 圧痛部に角度計を使用し、右図のように60°間隔に接線方向から石灰沈着部に向けて鍼を刺入。
- 鍼麻酔器(パルス)で通電刺激を与える。
- この方法により鍼による石灰沈着の破潰ができ、通電刺激による除痛や、筋運動が可能となることにより疼痛も軽減する。
- 鍼を抜去し、患部周囲を愛護的にマッサージし、患肢を他動的かつ愛護的に運動する。
- 更に疼痛が軽減したらプーリー運動を約5分間行う。
- 就眠が妨げられたほどの激痛が著しく軽減し、患者さんの安堵する様子が術者に伝わってくる。また、超音波画像にて石灰沈着の消失を確認。経過観察が可能。
鍼通電破潰法の利点
- 麻酔剤を使わず、外来で簡単かつ短時間に施術できる。麻酔をかけないので患者さんに侵襲を与えない。かつ入院を必要としない。
- 手術の場合と違って痕跡を残さず、運動障害を残さない。
- 鍼が極めて細い(注射針と比較して)為、皮神経や軟部組織を傷つけないので、知覚異常を訴える障害が少ない。
- 筋の運動点等にも鍼通電刺激を与えるのでリン酸カルシウムの吸収が早く、早期の運動療法及び理学療法も兼ねるため、患者さんの疼痛も早期に軽減する。
- 当院の経験した症例のうち、ほとんどの症例に対して追跡調査をしており、再発の報告は今のところない。本法での予後は、極めて良好と考える。